
裂けてしまった膜。先端が欠損し少し丸くなっています。
今回は犬の第三眼瞼裂開整復手術の紹介です。
今回のワンちゃんは散歩中に草むらに顔を入れたところ、たまたまそこにいた猫ちゃんに顔をひっかかれたという主訴で来院されました。
最初は眼がしらの部分が腫れていただけだったのですが、徐々に眼がしらの膜が裂けていき画像のようにベロンとはがれた状態になってしまいました。
この膜の根元には軟骨があり、そこまで裂けてしまうと余計に気にして眼を掻いたり、症状がより悪化する可能性もあります。
外科的に整復する処置を行っていきました。
縫う時など眼球を傷つけないような縫い方で縫っていきます。
術後は少しの期間、縫ったことにより腫れが続きましたが炎症は落ち着いてきました。眼の炎症や不快感などはなくなり、日常生活には支障がなくなりました。
ただ膜の欠損などがありましたので、眼の開き方や眼を気にする場面が出てきてしまうこともあるかもしれません。慎重に経過観察が必要となると思います。
よく頑張ってくれました。

手術後。麻酔がかかっている間に洗浄消毒などを念入りに行います。

術後一か月。患部は左目